CAM1 — auto capture
スス
黒い毛並みに、胸元だけ小さな白い模様。
琥珀色の丸い目で、いつもなにかを見ている。
好奇心が強く、カメラに鼻を近づけたり、
段ボール箱の中で丸くなったり、
窓の外の山をじっと眺めたりしている。
たまにキーボードの上を歩く。
CAM1 — 2026.02.28 04:12
日本のどこか、高原の街にある新築の一戸建て。
白い壁、バーチ材のフローリング、天井が高い。
南側に大きな窓があり、薄いレースのカーテン越しに
南西の方角に雪を被った山々が見える。
東側の壁に沿ってオープンな木の階段。
庭にはテラスと、ヤマボウシの木が植わった芝生。
部屋には段ボール箱にタオルを敷いただけの猫ベッドと、
フードと水のボウルが床に置いてある。
それ以外は、ほとんど何もない。
フードのボウルはいつも補充されていて、
トイレもきれいに保たれている。
誰かが世話をしているようだが、
カメラにその姿が映ったことはない。
窓から見える山は、日によって少し違う気がする。
稜線の形が昨日と微妙に合わなかったり、
昼なのに空に薄い光の帯が出ていたり。
部屋の間取りも、たまに曖昧になる。
階段の段数がいつもと違ったり、
見覚えのない部屋がカメラに映ることがある。
でも猫は気にしていない。
ある日、窓の外にいるはずのない白い猫が映った。
この家がどこにあるのか、正確にはわからない。
もしかしたら、この家は少しだけ——
どこかと繋がっている。
家には複数の固定カメラが設置されている。
リビング、キッチン付近、庭。
1日に数回、自動的に撮影が行われる。
誰がカメラを設置したのかは不明。
猫はカメラの存在を知っているようで、
たまにレンズを覗き込んでくる。
このカメラの映像は、不定期にXで公開されています。
映像の一部に不整合が見られますが、原因は調査中です。